株式会社関富 コラム

第2回 趣味と実益

長く続く梅雨の空、夏の暦の誘いの声に、その気にならない8月の空模様。それは大手飲料メーカーの7月に於ける販売の最悪記録を塗り替える程までになっています。
さらには追い討ちをかけるように原油高が続き、配送、製造等に外的要因として悪作用を働いています。小売店の売り上げ、集客、利益の減少は加速する悪影響、悪循環としてまるで築地市場のスケール小型化を肌で感じる程にまでなっています。
これは本当に一大事なことです。

変化と対応

コラムイメージ

しかしながら、流通不振はこれらの理由ばかりではありません。従来のように「良い商品」「割安感」があれば物が売れるという認識の通りの時代から明らかに様変わりを遂げている事実が存在します。明らかに顧客のニーズが変化を求めているのです。その事実を受け入れなくてはなりません。ここが大事なのです。

例えば、あなたは決まった「美容室」を持っていると思いますが、それはお店に「受け入れ易さ」「安心感」をあなた自身が感じているのだと思います。

「カットデザインが納得できる」「雰囲気」「気心が知れている」「サービス」「くつろげる」等。つまりあなたとの美容室の「フィーリング」「感性」の合致がロイヤルティーの高さ強さという(継続して利用しようと思うレベル) 事の結果に繋がるものと、【さらには増幅するお客様の期待度を上回る価値を今後とも継続して提供すること】。
これこそがお店が強さを維持することが出来る源泉と思います。

北海道「旭山動物園」にはパンダ、コアラのような人気者は飼育されていません。さらに、厳しい冬の期間は短い時間しか開園しないのに、行列のできる動物園になったそうです。
ここには今までの様に上から見下ろす形式を覆し動物との一体感、臨場感を感じさせる施設に切り換えたこと。供給者側の論理で考えるのではなく「顧客が喜ぶ今までに無い」を念頭にその角度から見に来るものの本音を理解した上で園内改装を行った事が大成功にいたった。

「顧客満足を実現させる思考」ここに変化の時代に対する戦い方のヒントがあるのではないかそう思います。
今いる枠の中にいては、時代の流れを感じ取ることは難しい事になります。【新しい需要、新しい顧客を獲得し集客しているところ】は業種を問わず、今より特化した魅力的な内容に変化している。そして飽きられない工夫を実施しているように思います。
業界が駄目なのではありません。企業が駄目なのです。

寄稿 (株)関富従業員 中山一郎
編集 (株)関富取締役社長 関戸富夫